「……え?」

 「何だてめぇ!?今いいとこなんだから、邪魔すんなよ!!」

 「……離してやれって、言ってんだろ?なんならここで警察呼ぼうか?」

 「……チッ。おい行くぞ!」






 男たちは、そのまま走って逃げていった。
 た、助かった……!





 「……大丈夫か?」

 「あ、あの!ありがとうございます!助かりました……!」

 「べつに。大したことしてないから。じゃっ」

 「あ、あの……!」




 なぜか思わず呼び止めてしまった。
 自分でもなぜなのか、わからなかった。




 「……なんだ?」

 「な、名前……教えてもらえますか?」
  
 「……矢神琉生(やがみるい)」

 「矢神くん、ありがとうございました」