「言ったろ?キスくらいさせろって」
 
 「えっ……!」

 「一回でいい。キスさせろ。じゃねぇと、おまえの彼氏やめるぞ?」

 「は、はっ……!?」




 ちょ、ちょっと……!
 これってあれよね!脅し!?




 「……目ぇ閉じろ」

 「えっ、いや、ちょっ……!」

 「黙って、美南」




 急に名前を呼ばれてしまい、なぜかわからないけど、そこから動けなかった。
 そしてだんだん琉生くんの顔が近づいてきたことで、確信した。




 本当に、キスするんだなと。
 これはもう、仕方ない。最初にそう言われた以上、もう後には引けない。




 「……んっ」

 目を閉じた瞬間、本当に、お互いの唇が触れてしまった。