「いくらお試しでも、おまえの彼氏になってやるんだから。その期間は恋人なんだから、せめてキスくらいはさせろよ?」

 「……っ!?」

 「じゃあそういうことで。よろしくな?彼女ちゃん」 
 
 「ま、待って矢神くん……!」

 「あ、連絡先、あとで教えろよ?」

 「矢神くん!ちょっと待って!」




 い、行ってしまった……!!
 矢神くんってば!もう……!




 そして矢神くんは、その日謹慎が解けたものの、結局授業には出ず、帰ってしまったとクラスの子に聞いた。
 どうして何も言わずに帰ってしまうの……!




 連絡先、交換しようと思ってたのに!
 いないんじゃダメじゃん!




 ってなわけで、そんなこんなで。
 矢神琉生と偽りの恋を始めました。