オフィスラブはじまってました

 寝袋を並べて寝てみた。

「ひなと」
と天井を見たまま、柚月は訊いてみる。

「その寝袋。
 脱がせてみてもいいか?」

「何故ですか」

 そこはよくないです、とひなとは言う。

 柚月は寝袋のまま起き上がり、
「珈琲とか淹れてみてもいいか?」
と訊いてみた。

「い、いいですけど」
と寝袋のまま、ひなとも起き上がり言う。

「寝袋、脱がせてみてもいいか」

「いいわけないですけど」

 柚月は黙って、ひなとを見つめたあとで、また言った。

「……もう一回、一からやってみようか。
 隣で寝てもいいか?」

「いや、何度やり直しても同じですよ……」
とひなとに言われる。