オフィスラブはじまってました

 そして、今進んでいるこの話はなんの話だろう、と心の物凄い片隅にいる冷静な自分が思っていた。

 話を整理しようと思い、
「すみません」
とひなとは柚月に呼びかけた。

「あの、このお話はなんのお話でしたっけ?」
「お前の結婚話だろう」

「私と誰のですか」
「俺だろう」

「どうして、そんな話になったんでしたっけ?」

「……お前がプロポーズして来たからじゃないのか」
と呆れたように柚月は言う。

 そうでしたね……と呟いたあとで、ひなとは言った。

「すみません。
 ちょっとこの急展開についていけてないんですが……」

「いや、ついていけてないのは俺の方だ。
 なんで七月に結婚する話になっている」

 俺はまだ何も言っていないのに、と柚月は言う。