オフィスラブはじまってました

 柚月は渋い顔をし、
「何故、六月だ」
と言ってくる。

 そして、
「誰と結婚するんだ?」
と訊いてきた。

「柚月さんみたいです」

「……みたいですっていうのはなんだ」
と言ったあとで、柚月は少し考え、

「いや、六月には結婚できない」
と言ってきた。

 そうですか。
 どうもすみませんでした、とひなとは柚月の部屋に入ろうとする。

 帰るためだ。

 落ち込んだからといって、柵を乗り越えて、自分の庭に帰るのも変だろうし。

 そもそも窓が開いてない。