オフィスラブはじまってました

「こんないい男二人に想われてるんだ。
 そんなお前のままでいいんだよ」
と柚月の部屋を見る。

 緒方さん……。

 ありがとうございます。

 ちょいちょい入るディスりが気になるところではありますが……。

 そう思いながらも、ひなとは、
「ありがとうございますっ」
と頭を下げた。

 柚月の部屋に向かいながら思う。

 しかし、昼間のみんなといい、緒方さんといい。

 何故、私の方から告白する話に?

 こんなヘタレで自分に自信がない女なのに。

 柚月さんがもし、みんなが言うように、私のことを好きなら、柚月さんの方から来てくれそうなものですが。

 だって、あんなに素敵なんだから、自信満々言ってきても大丈夫なのに。

 ……やっぱり、柚月さん、私のことなんて、なんとも思ってないんじゃ、と引き返そうとしたが、緒方と目が合う。

 引き返すこと、あいならん、と言い出しそうな顔で、地獄の門番のように緒方は立っている。