「ごめんね?
心配かけちゃったね」

「……」

こいつ、反省してるのか?
俺だけか?
焦ったのは俺だけか?
虫の知らせとはこの事だな。
今日、待ってなかったらと思うと、ゾッとする……。

「ね、ねぇ、私きっと汗臭いからちょっと離れて? 今日、Jリーグの観戦だったから…」

キツく抱きしめて、めちゃくちゃにしてやりたい。

「……別にくさくない」

そう言って、そのまま思いっきり抱きしめた。

「賢人……ごめん。
全然しっかりしてなくて。情けないよね。
経験値が低過ぎるんだね。
ホント、私、年上なのに…」

「年上、年上って言うな!」

「ご、ごめん……」

クソっ!
制服なんだよ、俺。
この1年の差はどうしても埋まらない。

いつものようにキスをする。
あぁ、怒りが収まらない。
行き場のない怒りを、噛み付くようなキスでぶつける。

「……ん、ちょっと……けんと……」

すっかり光の息は上がっていた。
もちろん俺もだ。でもまだ足りない。