「…え?
トイレは嘘だったってこと?」

「……わかってる?
今の、危機的状況だったって」

「せ、生理現象だから仕方がない、緊急事態だって思ったの。
……私、騙されてたのか……」

「俺がここに居なかったら、光、確実にやられてたよ」

「……!! 」

「なぁ、もっと危機感持てよ。
それとも何?
ちょっとはそういう事、期待してた?
俺が居て、残念だった?」

「まさか!
い、居てくれて助かったよ。
ありがとう……」

「……ハァ…。
マジでやめてくれよ……」

ため息を吐いて、私の両肩に思いっきり体重をかけてくる。首筋に賢人の前髪が当たる。
心配かけちゃった……。