「あ、私の考えを押し付けるつもりはないからね?
賢人は賢人だよ」

でも、あの二人の幸せに水を差して欲しい訳でもないけど……。

「いや……俺も同じなんだ。
相手を困らせるくらいなら、伝えることはしない」

「賢人……」

「でもさ、キスはしてみたいな〜。
出来れば天使と」

え、またそこに戻るの⁇

「いや、だから。
天使じゃなければ、ね?」

出来ると思うよ?

「……なぁ。
猫の兄弟は猫だよな?」

「え? 当たり前じゃない。」

「じゃあ天使って、兄弟がいると思う?」

「へ? なに突然。
うーん。わからないけど……。
宗教画に出てくる可愛い感じの天使は、同じような顔で何人かいるね?」

「うん。
天使の兄弟も当然ながら天使だよな」

天使の兄弟は天使⁇

「鈍いなぁ。
天使の姉妹も天使なんじゃないの?」

天使の姉妹も天使⁇
天使、はメグ。
天使の姉妹……え、私?

「え? え?
それって私⁉︎」

「……やっと気づいたのかよ……」

エェ……

「俺は天使とキスしたいって言ってるの」