「……あー。
年下だからか……。
高校時代だと、圏外になっちゃうかもねぇ。
でも、ちょっとわかっちゃったわね?
賢人くんとしては、世間的に見て同等の社会人にならないと告白出来ないかも……。
ううん。それだけじゃないわね。
今、岩橋屋旅館で修行中でしょう?
鉄平の研修医と同じよね。
修行を終えて、ヘブンリーに異動するまで、告白はないかもしれないわね」

「……なるほど」

やっぱり結衣子先生はすごい。
理由までわからなかったわ。

「でも、それならそう遠くない未来に、2人は落ち着く気がするわ。
心配しなくてもいいんじゃない?」

「そうでしょうか……。
姉のあの天然ぶりは……最近さらに磨きがかかってますよ。
結婚願望ゼロだって、ハッキリ言ってました。
割と本気で。
……欲求は満たされてるから、何の問題もないって。
めちゃくちゃ呑気なんですよ」

あちゃー

と言う、結衣子先生の珍しい顔を見て、思わず吹き出しそうになった。