「絶対する」

「いや、帰ってからでも……」

「駄目だ。
ちゃんと式を挙げる。
神の前で誓うんだ。
籍だけ入れるなんて邪道だ」

別に、挙げないとは言ってないんだけど。
賢人は年末年始まで仕事が立て込んでいて、
結婚式を挙げるなんて、無理だと思うんだよなぁ。



そう言うわけで、捕物から一夜明けて、今日は久しぶりに大聖堂に来ている。
年明けすぐに、運良く大聖堂が取れたら……と
一縷の望みを賭けて。

事務局へ行くと、顔馴染みの事務局長がいた。

「お! 光ちゃんじゃないか〜。
久しぶりだね。
最近はクリスマスにしか見かけないからねー。
……あれ? 岩橋の……?」

「ご無沙汰しています。賢人の方です」

「あーそうだ。
久しぶりだなぁ。
岩橋は仕事柄、クリスマスミサには来られなくなるからなぁ」

「すみません。
今年も来れそうにないですね。
でも、来人と悠人が参加すると思います」

「あぁ。あの子達、可愛いねぇ。
櫂人も遅くに恵まれた子が可愛くて仕方がないみたいだね。
本当に良かったよ」

事務局長の川崎さんは生き字引のような存在だ。このまま話していたら、次はうちの父にお祖父ちゃんに繋がって行くはず……。