「……そうなんだ」

「そうだったんですけど、お義父さまと理人が今朝話し合って、年明けから異動と言うことになったの。
ごめんなさいね?
さすがにすぐに、ってわけにはいかなくて」

「「えぇっ‼︎」」

いやいやいや
いいの? それ……
そんなに簡単に決めちゃって。
後2ヶ月ちょっとじゃない!

「渡航の準備もすすめないといけないから、これでも遅いくらいなのよ」

「「渡航⁉︎」」

「賢人、春から海外研修に出てもらうわ。
今までは、あなたにパートナーがいなかったから、話を進めることが出来なかったのよ。
でも、光ちゃんと結婚するなら、すぐにでも話を進められるわ」

「ちょ、ちょっと待ってよ。
突然言われても、光だって困るだろう?
光のキャリアはどうなるんだよ!」

あ。
話が見えた。
この顔合せの意味。

昨日の今日で、しかも父親2人は同席できないくらい急で。不自然なことに、兄嫁が同席している。
この話をするためだ。
最初から、賢人の海外研修の話はあったんだ。そうよ。理人くんは、もっと早くに行ってたわ。