「真理子、うちの光も同じよ。
昨日、聖が帰って来るまで、全く知らなかったのよ?
この子、結婚願望ゼロだって言い続けていたんだから!」

「まぁ! それはきっと賢人のせいね?
男性がハッキリさせないと。
ね? 凛子ちゃん?」

「で、でも、賢人くんにもタイミングがあったんじゃ…」

おお、ここで味方は凛子さんだけか⁉︎

「真理子違うわ。
聖の話だと、うちの光が鈍感過ぎただけみたい。この子ね、仕事は出来るんだけど、どうも人の機微に疎くて」

「……それ、否定はできませんね」

「賢人!……確かにちょっと勘違いしちゃってたけど……ちゃんとOKしたじゃない」

「あら、ちゃんとプロポーズはOKもらったのね。光ちゃんの口から聞けて良かったわ〜」

「まあね、これ形だけだから。
とりあえず顔合せ出来たってことで、話を進めましょう。
真理子?」

「ええ、そうね。
賢人、勤務先なんだけど、春からヘブンリーゲートブリッジに異動の予定だったらしいの」

……ん?
今過去形じゃなかった?