ヒロから、妃にバトンが渡った途端、辺りが一気に騒がしくなる


妃は綺麗なフォーム、そして女子対抗リレーとは比にならないくらいのスピードでグラウンドを駆けていき

1人、また1人、


そして最初から1位をキープしていた青団と、ほぼ同時に俺にバトンが渡された


「海世くん...!」


お願い、と言ったように、少し切羽詰まった顔をした妃に、一瞬微笑みかけ、強く地面を蹴った

走り始めて直ぐ、同時にバトンを受け取った青団より1歩前に出た





風に乗る


多分、この言葉が1番しっくり来る気がする

今ならタイム更新出来るんじゃないか

とか、そんなことを呑気に考えながら走り続ける