貴音くんは前を走っていた他団の人とほぼ同時に2走者目の佐藤さんにバトンを手渡した


「佐藤さん頑張れー!」


私も、優希ちゃんも声を張り上げて応援する

そんな声援に答えるように、佐藤さんは1人抜いて、2位で次の山根さんにバトンが渡った


「あの青団の人速い...!」


隣で優希ちゃんがそう叫び、そっちを見ると、1位を走る青団の女の子は凄く速かった


少し差が広がったものの、2位をキープしたままヒロくんにバトンが渡った


と思った時、カラン...と、音を立てて、赤色のバトンが地面に転がった


「ヒロ...!早く拾え!!」


やばい、といったような表情で一瞬呆然としたヒロくんは、海世くんの叫びに我に返り、バトンを拾って走り始めた


今の一瞬の間に、順位は4位まで下がってしまった