ピンポーン。
部屋中に
甲高い音が鳴り響いたけれど。
今は誰にも会いたくない。
まだ、涙だって止まってくれない。
だから、無視。
それなのに。
ピンポン、ピンポンと連打され。
ドアを叩く荒々しい音まで、聞こえてきた。
さすがに怖くなって。
椅子の上で縮こまることしかできない私。
やっと静かになったと
胸をなでおろした時。
ピコン。
スマホの画面が、明るくなった。
『通報されて、
俺が警察に連行されてもいいわけ?』
ピコン。
『嫌なら開けろ。今すぐに』
画面に浮かび上がる、俺様な文面。
マトイらしい……
フッと笑いが込み上げてきて
あんなに流れていた涙が、一瞬で止まった。
私もマトイに
言わなきゃいけないことがあったんだ。
『ありがとう』と、『ごめんね』
両方とも。



