悔しくて。苦しくて。

 心が締め付けられるように痛みだして。



 顔をゆがめ。

 嗚咽と共に痛みを吐き出すことしか
 できない私。



 クリスマス当日の昨日。


 アミュレットの全国デビュー決定で
 喜んでいた私を一気にどん底に突き落とした、
 副社長とのやり取りを思い出す。



『璃湖ちゃん。俺からのクリスマスプレゼント
 サイコーだったでしょ?』



『アミュレットをデビューさせてくれるなんて。
 なんてお礼を言ったらいいか……』



『お礼なんていいから、俺と付き合ってよ』



『だから……彼がいますので……』



『俺。璃湖ちゃんの彼氏さんに、
 負ける気しないよ』



『ごめんなさい』



『は~。ここまで粘ってもダメかぁ。
 璃湖ちゃんから卒業しないとダメだね。俺』


 
 やっと諦めてくれるんだと
 安堵のため息を吐き出した私。



 副社長が、とびきりの笑顔を向けた。