嬉しさが体中から込み上げてきて、
 涙の雫に変わっていく。




「蓮見、泣くなって」



「そんなこと、言われても……」




 恥ずかしがり屋のマトイが、
 『愛してる』って言葉を選んでくれたことが。

 嬉しくて、たまらないんだもん。




「俺の書いた文字が、涙で消えるだろ!」



「それは……嫌……」



 文字が消えないように、
 腕に落ちた涙を拭こうとした時、

 幸福な温もりに、全身が包まれた。



 もっとマトイを感じたくて、

 マトイの胸に、私の頬をくっつけてみる。



 マトイの心臓。
 猛スピードで飛び跳ねている。


 私にドキドキしてくれてるのが、
 たまらなく嬉しい。