行き場のない想いをぶつけるように、 全く罪のない枕を叩いた時。 ピンポーン。 インターフォンが鳴った。 生気を吸い取られた、ゾンビ顔の私。 誰にも見られたくなくて、無視していると。 ピンポン、ピンポンと連打され。 「蓮見……」 聞き間違えと思うほどかすれた声が、 かすかに耳に届いた。 え? え? え? この声って……マトイだよね?? なんで、私のアパートにいるの? 住所なんて、教えてないのに。