俺がやってきたのは、城のはるか上空。


 雲に手が届きそうなほどの高さ。



「で、俺に言いたいことがある奴は、誰なわけ?」



 目には見えないが、この場所に
 数えきれねぇ程の人が集まっているのは、
 気配で分かる。



 俺の言葉を聞いて、

 敵意むき出しの国民たちが、
 正体を現し始めた。



 俺の視界を、埋め尽くすほどの女たち。


 魔法界の女全員、
 仲良く大集合ってわけじゃ、なさそうだな。



 宙を浮きながら、腕組みする俺に

 一人の女が、すーっと近づき、
 俺ににらみを飛ばしてきた。