☆マトイside☆

 ――1週間後。


 
 俺は今、魔法界の城の中にある、
 自分の部屋の机の前にいる。



 空飛ぶハリセンボンもどきのハリルが、
 棘を出しながら俺を監視中。



「ハリルさ~。
 そろそろ、解放してくれても良くねぇ?」



 あ、目が吊り上がった。

 体が、さらに膨れ上がった。



 怒んなよ。


 俺、もう4時間も、

 魔法界の法律の本と、にらめっこをしてんじゃん。



「オフの日くらい、休ませろよ。
 アイドルの仕事で疲れてんだからさ」



 情けない言葉を吐いた俺に、

 ハリルは鋭い棘を出したまま、縦回転。


 猛スピードで俺に、突進してきた。



「あ~もう、わかったから。勉強するから。」



 針をしまえよ。痛ぇなぁ。