「そして、マトイ君」
俺が大好きな甘い声が、俺の名前を呼んだ。
たったそれだけなのに。
嬉しくて。
俺の脳が、とろけそうになる。
「夢を叶えてくれて、ありがとう」
夢って、何のことだよ?
そう、聞き返そうと思ったのに。
俺の首に絡んでいる蓮見の腕が、
さらに強く、俺を抱きしめた。
そしてふわっと、 腕がほどけた。
俺から離れていく蓮見を、
見つめることしかできない俺。
ドアの前で立ち止まり、
蓮見はくるりと、俺の方に向いた。
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