「なんで、私を招待してくれたの?」



 素直に吐き出した疑問。


 その答え次第では、バックを抱えて
 逃げ出さなきゃと思っていたけれど。



「マー君から聞いたよ。
 はすみん、
 昔の記憶がなくなっちゃったんでしょ?」



 春輝くんの穏やかな声が、
 私の気持ちをとどめてくれた。




「私の記憶がないのは、7年間だけだけど」



「その穴に、僕たちが楽しい思い出を、
 埋め込んであげるね」



「え?」



「だって。辛い記憶ばっかりだと、
 苦しくなっちゃうこと、あるでしょ?」



 目がなくなるほど
 ニコッと微笑んだ春輝くんに

 不愛想なマトイ君の声が続く。