お皿を手にした綾星くんが、
「嫌いなものがあったら、言ってください」と、
わたしの分を取り分けてくれて。
「はすみん、はい。温かいお茶」
春輝くんが急須でお茶を注いでくれた。
なにこの、至れり尽くせりな感じ。
ここって……
高級ホストクラブじゃないよね?
なんか、怖くなってきた。
詐欺? 勧誘?
いきなり私に、とびきりの笑顔で
アミュレットグッズを売り付けられたらどうしよう。
アミュレットのファンクラブに入れって脅されて。
高額な金額をしぼり取られて。
私の通帳残高がゼロになったところで、
ポイって、夜の雪山に捨てられたらどうしよう。
マトイ君も、この子達も。
そんな犯罪チックなことをするはずないと、思うけれど。
今、私が、手作り料理で接待されている理由が、
全く思いつかない。



