へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目


 お皿を手にした綾星くんが、

「嫌いなものがあったら、言ってください」と、

 わたしの分を取り分けてくれて。



「はすみん、はい。温かいお茶」


 春輝くんが急須でお茶を注いでくれた。



 なにこの、至れり尽くせりな感じ。


 ここって……
 高級ホストクラブじゃないよね?



 
 なんか、怖くなってきた。


 詐欺? 勧誘?



 いきなり私に、とびきりの笑顔で
 アミュレットグッズを売り付けられたらどうしよう。



 アミュレットのファンクラブに入れって脅されて。

 高額な金額をしぼり取られて。

 私の通帳残高がゼロになったところで、
 ポイって、夜の雪山に捨てられたらどうしよう。



 マトイ君も、この子達も。

 そんな犯罪チックなことをするはずないと、思うけれど。




 今、私が、手作り料理で接待されている理由が、
 全く思いつかない。