廊下に6つのドアがあり。
「ここは、僕たちそれぞれのお部屋だよ」
「こっちがトイレで、洗面所はこっちです」
春輝くんと綾星くんが、私に教えてくれた。
「そしてここが、リビングだよん」
春輝くんがドアを開けると、広いLDK。
ベランダに出られる窓は大きくて、開放的なお部屋。
ん?
対面キッチンの奥に、誰かがいる。
私を警戒する猫のように、背中を丸めている。
明らかに、
拒絶シールドが張られているんですけど。
私がリビングに上がり込んで、大丈夫だったかな?
「雅、蓮見さんが来たぞ」
あ、この子がアミュレットのセンター、雅くんね。
女子高生がキュンキュンするのがわかる、
顔面偏差値の高さ。
童話から出てきたんじゃないかってほどの、
王子様フェイス。
なぜか肩を震わせながら、
雅くんは私の前にやってきた。



