「はすみん、寒かったでしょ?
お部屋の中、温めておいたよ」
ルンルン飛び跳ねるような声は、
なぜか、私に対して好意的。
「春!馴れ馴れしいんだよ。
蓮見、固まってんだろ?」
「だってマー君が。
本当にはすみんを連れてきてくれたから」
「オマエだろ! ウザいくらいに、
俺の背中にひっついて頼んだのは」
マトイ君が、春輝くんを睨みつけているのに。
春輝くんは、宙に浮いちゃうんじゃないかって
言うくらい、ゆるふわな笑顔。
「マー君のダメは、ダメじゃないからね~」と、
笑っている。
天使みたいにかわいい顔した春輝くんって。
ある意味、マトイ君より怖そう。
「蓮見、早く入れよ」
「ここって……」
「俺たちアミュレットの、寮」



