よくよく考えれば、
 マトイ君に悪いところなんて一つもなくて。


「ごめん……なさい……」


 か細い声で、一応、謝ってみた。



 え?  何?

 なんでいきなり、モジモジし始めたの?



 私より年上じゃないかって程、
 堂々としているマトイ君なのに。


 いきなり、子供みたいに動揺しはじめた。



 か……可愛い……


 あまりに可愛くて、マトイ君から視線を外せない私。



 その時、目が合った。



「は……蓮見……
 見んじゃねぇよ!!」



 動揺をごまかすように、吠えてる。


 
 フフフ。
 マトイ君って、天邪鬼なの?

 
 素直になれずに声を荒らげちゃうところ。

 ダメだ。ツボすぎる。