私のことを、待っていてくれたの?

 そう聞きたいのに……



 寒さで喉が凍り付いているの?って思うほど、
 言葉が出てきてくれない。



 何か言わなきゃ。

 凍てつく夜風に、
 全身が凍らされる前に。



「マ……マトイ君、本番よろしくね。
 じゃあ、おやすみなさい……」



 急いで逃げようと思ったのに。



「俺、蓮見のこと。帰すつもりねぇんだけど」



 ため息混じりのマトイ君の声が、私の足を止めた。



 へ? 

 いきなり、何?