☆マトイside☆

 蓮見と衣装部屋に戻ってきた。


 着替え終わった俺は、
 カーテンを開け、衣装を蓮見に手渡す。



「マトイ君、
 遅い時間まで付き合わせちゃってごめんね」



「蓮見は、まだ帰んねぇのかよ?」



「マトイ君の衣装を詰めるところ、
 印しておこうと思っているから」



「お疲れさまでした」と付け加え、
 作業テーブルの前に座った蓮見。

 一瞬で、作業モードに切り替えた。



 やっぱり、思ってくれねぇよな?

 俺と、もう少し一緒にいたいなんて。



 蓮見の中での俺の存在が、アリみたいに小さすぎて。
 なんか、悲しくなる。



 俺は、心に溜まった寂しさを吐き出すように、
 低い声を出した。