「なんで?」 「え?」 「蓮見はなんで、 そっちの髪型のほうがいいわけ?」 無言。 …… …… って、考える時間、長すぎじゃね? 俺、今、カーテン越しで着替えているし。 人間界で魔法なんて使えねぇから。 オマエの表情を読み取る術なんて、 持ち合わせてねぇんだけど。 俺は急いで、袴に足を通した。 そして羽織をまとい、勢いよく、 俺たちを遮るグレイのカーテンを開けた。