俺が心の中のいろんな思いと、葛藤をしていた時。 「え?」 目をこれでもかと見開いた蓮見が、 いきなり声を震わせた。 「マトイ君……これって……」 俺のバックに、 妖怪でも張り付いているのかよ? そう思って、蓮見の視線の先に目を向ける。 そこには、お守りが揺れていた。 そりゃ、ビビるよな? 可愛いと無縁の俺が、ピンクの布にデデーンと 真っ赤なハートが刺繍されたお守りを、 身につけているなんてさ。 とりあえず、言い訳はさせろ。