へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目



「芝居の稽古が終わったら、
 ちょっと時間貰えるかな?」



 は……?
 な……なんだよ…… いきなり……?



 も……も……もしや……

 俺と二人だけで、話したいとか……?



 ピタリと停止してもおかしくないほど
 ドクンと大きく波打った、俺の心臓。


 止まらない代わりに、
 猛スピードの速さで、駆けはじめてしまった。



 なんだよ。

 男を惑わす笑顔で、俺を見つめるんじゃねぇよ。

 言いたいことがあるなら、早く言えよ。



「チェックしてもらいたくて」



 何をだよ?



「マトイ君の。本番の衣装」



 俺の心臓が
 不発の爆弾並みに、ガッカリ感を募らせた。