「やっぱり無理かぁ。
つれないなぁ。璃湖ちゃんは」
音符が躍るような声が返って来て。
私も、嫌み混じりの笑顔を返す。
もう定番の挨拶みたいになっている、
副社長との、このやり取り。
私が高3の時からだから
もう5年くらいかな?
「でも璃湖ちゃん、
後悔しても知らないからね」
副社長のゆるっと笑顔で見つめられ。
『後悔なんてしませんよ』って意志を込め、
微笑み返した。
でも今日は、クリスマス当日。
明日は会議があるから
本社に戻らなきゃいけないだろうし。
なぜ、東京からこんな地方に、
副社長はわざわざ来たんだろう?
疑問を残しながらも、
マネージャーとしての仕事をしなきゃと
我に返る。
「全員集合!」
私の合図で、パタパタ駆けてきた4人。
無駄にイケメンな27歳、副社長の前に、
一列に並ぶ。



