言えよ! 俺!
恥ずかしくても
ちゃんと蓮見に伝えろよ!
いつもだったら
ハズすぎて心のしまい込む想いを。
体中の勇気を集め、俺は声に変換した。
「蓮見を……使ってやるよ」
「え?」
「だから。
俺が舞台で座長をやる時は、
オマエに役を与えてやるって言ってんの」
恥ずかしすぎて、バクバクな俺の心臓。
フフフと蓮見の笑い声が聞こえてきて、
さらに心臓が飛び跳ねていく。
「マトイって、
お芝居にあまり興味がないでしょ?」
今までの俺は、芝居をしたくなる理由が、
特になかっただけで。
蓮見ともう一度、同じステージに立てるなら。
芝居に全力を注いでも、いいかなって
思ってるんだよ。
って、オイ。蓮見。
俺に、心を許したような
純粋な笑顔を見せんなって!!
可愛すぎて。
俺の心が、無抵抗で持って行かれるから。