「良く劇団に入れたじゃん。
 トラウマなんじゃねぇの?」



「いままでずっと、避けてきたけど。

 春輝に女怪人役頼まれて
 久々にステージに立ったら。
 楽しくてたまらなかったの」



 本当に、春輝に感謝。


 
 あんなに嫌って言い続けた、頑固な私に
 しつこく付きまとって。


 私が出なかったら、
 アミュレットを辞めるって脅してきて。


 私を、お芝居の世界に引き戻してくれて。



「それに、マトイ達に負けたくない」



「は~?」



「アミュレットのみんなばっかり、
 輝いているでしょ?」



 なんか、悔しくて。



「私も自分なりに、輝きたいなって思うの」

 


 今まで、自分の心の中だけに秘めてきた過去。



 マトイに吐き出してみたら、
 清々しい空気が、私の胸に入り込んできた。