「マー君、
 早くはすみんを助けに行ってあげたら?」



「は?」



「魔法界のみんなは、帰っただろうし。
 はすみんは今頃、空の上で
 一人ぼっちだろうな」



「春! まだ蓮見を、
 人間界に返してないのかよ?」



「だって僕、そんな魔法使えないよ。
 はすみんを魔法界に呼ぶ時だって、
 ハリルにお願いしたし」



 そうだった。

 
 人間界生まれ、人間界育ちの春輝が
 使える魔法なんて、びびたるものだった。



「でもね、はすみんが乗っているボードを、
 逆さにすることぐらいはできるよ。
 僕の魔法でね」



「何考えてんだよ、春」



「でも、大丈夫」



「は~?」



「僕がそんな魔法を使ったら、
 マー君は絶対に、
 はすみんを助けに行くから」



 なんだよ、それ。