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 それから1か月が過ぎ。
 
 今日はバレンタイン直前の日曜日。



 昨日のアミュレットの
 バレンタインライブで、
 疲れマックスなのに。


 まだ布団で寝ていたい俺の体を

 目覚まし時計よりウザい男が
 揺すりだした。



「マ~くん。見て見て」



「は? 今、何時だよ?」



「朝の7時だよ」



「今日、オフだよな? 
 朝っぱらから起こすんじゃねぇよ」



 一応、うっすら目を開けてやると。

 俺の顔を覗き込む、
 朝日より眩しい笑顔の春がいて。



 ラッピングされた箱を
 両手に持っている。