☆マトイside☆

◇◇◇

 年が明け。

 冬休みが終わり。


 高校から帰ってきた俺と春輝。



 3階まで上がり
 春輝の部屋に入った途端。


「マー君、聞いて、聞いて」


 春輝の異様なテンションの高さに

 朝からたまった疲れが
 どっと噴出してきた。



「どうせ、ウサギの話しだろ?」



「そうなの!
 今朝のみゅうみゅうも
 ものすっごく可愛くてね」



 女よりも『かわいい』という
 言葉が似合う春輝。



 真ん丸な目を、キラキラさせて。

 太陽顔負けの満面の笑みで。

 大好きな彼女の話を
 ウザいくらいに語ってくる。


 春輝さ~。
 気づいているよな?


 
 最近の俺が。

 明らかに落ち込んでいるってことをさ。