「雅、へたれアイドル卒業、おめでとう」 「え?」 「ハッピーなラブソングを 幸せそうに歌える男になってくれて、 安心したよ。頑張ったね、雅」 「蓮見さん……」 そんな、泣きそうな瞳で 私を見つめるのはやめて。 へたれ雅よりも私の方が、 圧倒的に涙腺が弱いんだから。 涙が製造されないように。 思いっきり手首をつねる。 痛っ。 手加減するの、忘れてた。