思い出すのが怖すぎるけれど。


 もう一度、記憶箱の蓋を
 全開に開けて、思い出してみる。



『マトイ…… お願い……
 大晦日の夜…… 一緒にいて……』



 言ってる!! 


 確かに昨日、マトイに言ってるよ!!
 私!!



 あ~。なんてこと言っちゃったの?

 マトイは、なんて答えたんだっけ??



 脳をフル稼働させて、
 あいまいな記憶を呼び戻す。



 今日と明日は
 この家にマトイは来ないけれど。

 大みそか。

 年越しパーティーを
 してくれるってことになったんだ。



 心が勝手にほわわんと温かくなった。

 
 な……なに? この反応は……?


 大みそかに
 マトイが傍にいてくれることが
 嬉しいのかな? 私。



 自分の気持ちが、わからない。


 マトイへのあやふやな想いが
 ファンとしての感情なのか。


 それとも…………