ドライヤーの音だけ鳴り響く部屋。 蓮見も、俺に話しかけてこない。 俺も、無言で蓮見の髪をなでている。 俺の手が、蓮見のおでこに当たった時。 「ひゃっ!!」 蓮見の肩が、ビクンと飛び跳ねた。 「なんだよ。 ちょっと当たっただけじゃん」 「マ……マトイ…… もう乾いたから。ありがとう」 蓮見の慌て声は、 普段のような落ち着きがなくて。 蓮見も俺に ドキドキしてくれてんのかなって、 心が弾んだけれど。 すぐに、冷静さが襲ってきた。 俺が蓮見に言ったくせに…… 『俺に惚れるな』って。