へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目


 心にあいた、虚しさの穴。



 埋める様に胸に手を当てた時。



 春輝がマトイの肩に両手を乗せ。

 笑顔をひょこりと覗かせた。




 
「マー君が
 アルバムをデコってくれたんだよ~」




 え? 

 マトイが?




「春、余計なこと、言ってんじゃねえよ」




「マー君が寝る間も惜しんで
 ノリでペタペタしてたって。

 伝えたいだけだも~ん」




「別に……
 暇だっただけだし……」




 弱々しい声のマトイに、違和感満載。




 めずらしい。




 『俺様は、毎日、急がしすぎなんだよ』

 それが、マトイの口癖なのに。



 時間を割いてまで
 このアルバムをデコってくれるなんて。




 写真を貼るだけでも
 他のメンバーに押し付けそうなのに。