もう離さないでね

さっきまで莉々ちゃんと話してたはずの翔が今、あたしの目の前にいる。

「さっきからすっげぇ視線合ったからなんかあるかなって思って、来た」

っなにそれ。

ってかあの子は?

ほらぁ…翔があたしのとこいるからすっごい睨まれてるんですけど。

やっぱ女の子って怖いね。

『あ、ううん。特にないの。だから戻っていーよ』

本当は聞きたいことあるけど、やっぱりやめた。

そんなあたしの態度が気にいらなかったのか、翔に腕を引っ張られた。