カラスのカー子。

テン年代に入ってからは気象変動が目立ち始めた。
とはいえその影響がさほど大きくない頃だ。

我が家の近所にカラスの集団が暮らし電線や空で見かけることがあった。
カラスの集団のなかでもとりわけ音声高く鳴いた鳥がカー子であった。
なおカー子という名前のカラスだが性別は不明である。

カー子は電信柱や電線で楽しげに自慢するように機嫌よく鳴いていたのだが、
ある激しい嵐の夜に必死に鳴いたあとは行方不明となった。

カラスの集団がいまだに健在であるのが慰めといえる。