登校すると女子の足元の大半は
ミュールやサンダルからブーツに変わっていて、
押し出されるように秋の訪れを感じていた。

2限を終えた僕は学食へは向かわず、
購買部でサンウィッチを買って、
缶コーヒーはホットを選んだ。

そして礼拝堂の前のベンチを選び、腰掛けた。

連なるベンチとベンチの間に置かれた
鉢植えには色とりどりの花が咲いていた。


僕はあの夜から後期初日の今日まで、
奈津美には会っていない。