紅一点

 

今日もいい天気ね。

広がる青空の下、少し先には、
禿が広げた和傘の陰に入り
歩く太夫と、両隣を歩く
幼馴染二人がが見える。

「お洗濯物、外に
干したかったわね。」

思わずこぼしつつ
火除けに和傘を広げる。

「お待たせ。ハオ。」

「淳之介。一緒に入れてね。」

眩しい笑を浮かべて
アタシの腕に手を絡めるハオと
二人並んで、日陰を分け合い
池田屋に向かって歩きだす。

朝の活気とざわめき

軒先の風鈴の音

――こうして、今日も
日常は続いていくのだ。
 






“終”