薄暗い行灯と、お三味の音、
階下で宴会の音がする。
あら…この行灯
…油の匂いがしない??
どういう事…?
「あら、旦那、お気付き?」
お酌をしながら、太夫が
フフフと笑う。
「この行灯、LED照明って
いうらしいの。油の匂いが
好きじゃないって言ったら
ハオが、修繕の男衆を
連れて来てくれたのよ。」
電源をこんなところに
引くなんて、驚きよね。
そう太夫言って。
「コレで安心して、
乱れられるわね。
…さて、どうなさる?」
…なんて、俺の反応を
伺ってくるけど。
…同意なんてできねぇ。
ハオが仲良くしてる太夫に
欲求解消の世話をさせる様な
根性は、俺にはない…
「…金は払うから
眠くなるまで、話でも
つきあってよ。」
「フフフ。いいわよ。
いいお父さんやってるのね。
毎度アリ♪」
太夫は追加のお酒を
頼んで、ヒトの悪い表情で
俺を見てくる。
「…なにヨォ?」
もう、居心地が悪いったら。
「初めての家族はどう?」
俺達の生い立ちも既知の
太夫が、手酌でお猪口を
真っ赤な紅を引いた口元へ運ぶ。
格子戸ごしの夜空に
浮かぶ月を眺めながら
ハオがいる世界を噛み締める。
「うん。すごくいいよ。
ヒヤヒヤしたりするけど、
守ってあげなくちゃって
毎日寝顔見る度思う。」
「あら、一緒に寝てるの?」
ウフフと悪い笑顔で
聞かないでよ。
「バカ言わないで。
ちゃんと、別々よ。」
ちゃんと嫁入り前の
女の子だってわきまえてる。
…いつかハオも
お嫁に行くのかしら…


