最後の一夜が授けた奇跡

「気づかれていましたか?」
医師の言葉に季里は力なく首を横に振った。
「どういうことですか?」
季里の言葉に俺は季里の体を支えながら医師に聞く。

「搬送されてから検査を行い、妊娠されていることが分かりました。超音波で見る限り、心拍も確認できる状態ですから妊娠3か月ほどかと思います。詳しい週数はわかりませんが。」

あの夜だ。

すぐにピンとくる俺たち。

欲望のままに、俺たちは少しの距離すら離れたくなくて体を重ね続けた。

「なんで・・・?・・・なんで・・・?」
小さく俺の胸の中で言いながら涙を流し、頭を抱えるようにする季里。

俺はそんな季里を抱きしめながら医師に聞く。