最後の一夜が授けた奇跡

「泉崎さん、落ち着いてください」
医師が季里に声をかける。

「ダメ・・っ・・・」
泣き出す季里に、俺は何も言えない。

俺がここまで・・・。

「泉崎さん、体に障りますから、落ち着いてください。」
看護師の言葉に続けて医師が言う。

「現在切迫流産という状態です」
男性の医師の言葉に、俺も、泣いている季里も動きを止めて、医師の方を見る。
「妊娠されていることに気づかれていましたか?」
医師の言葉に、興奮して体を起こしていた季里の体から力が抜ける。

咄嗟に季里の体を抱き留めながら、俺も季里の方を見る。

「季里?」
妊娠しているということか?切迫流産てどういうことだ?だめだってことか?